無死走者二塁の進塁を阻止したトリックプレー

無死、走者二塁。打球は、中堅手を超えるかと思える打球。

二塁走者は無死だからリタッチに備えて二塁ベースを踏んでいる。中堅手は捕球できるかのような体勢をした。

それを見た二塁走者は直ちにスタートするか姿勢に入った。

ところが中堅手の捕球体勢はトリックプレイだった。打球は中堅手の頭上を超えてフェンスに当たって戻ってきた。二塁走者は三塁を回ったところでストップ。

中堅手のトリックプレイにまんまと引っ掛かってしまった。よく見るプレイだ。

一死ならハーフスタートだから中堅手のトリックプレイは効果的でない。無死二塁だからできるトリックプレイだ。

もうひとつ、まあ、あり得ないトリックプレイだけど、私は、万回に一はあるかもと思っているプレイがある。場面は同じ。打球は中堅手への飛球。二塁走者は無死だからリタッチに備えて二塁ベースを踏んでいる。

中堅手は捕球する体勢をした。中堅手は一旦、グローブに打球を捕球したかのように見せてからお手玉ジャッグルし続けた。完全捕球しなかった。

二塁走者はいつスタートしていいか迷ってしまった。

この場合のスタートは野球公認規則5.09(a)(1)アウトの稿「【原注2】走者は、最初の野手が飛球に触れた瞬間から、塁を離れてさしつかえない」。

もちろんほとんどの選手はこのルールを知っているだろう。だが、中には知らない選手がいるかもしれない。

私はこんなシーンを球場で見られたらとても面白いのではないかと想像している。無死走者二塁、打球が中堅手方向、もしや、と、我が庭の神宮球場で見てみたいものだ。まあ、あり得ないけど……。