オールドファンの4つの嘆き

オールドファンにとっては、昔と今の野球の違いに戸惑い、嘆いている。

一つ目は、頻繁なボール交換。

ルールブックには、ボール交換に関して、「ボールが汚れた場合、あるいはボールが何らかの理由で使えなくなった場合と投手がボール交換を求めた場合」と記されている。

内外野のグランドに触れたボールを野手が審判員に見せ、ボールが汚れているか検査する前にボールボーイに渡してしまう光景を目にする。野手が自己判断で汚れていると判断しているのだろうか? 昔は、野手がそのボールを投手に渡して、投手が汚れを判断して交換することが多かった。

二つ目は退場者が少なくなったこと。2023年は8人、それも全員危険球退場。2022年は9人、うち球審への暴言・侮辱行為は3名。乱闘、抗議、遅延退場は少なくなった。リクエスト制度の結果だろう。

三つ目は両チームの先発投手の完投試合がほとんど無くなった。私のデータによると1989年では、両チーム先発投手が完投した試合は55。内、9回前のコールコールドゲームは3試合。52試合が両先発投手完投試合だ。2024年は7試合で、内、コールドゲーム6試合。だから両先発投手完投はたった1試合。9月22日、オリックス対日本ハム戦の宮城・加藤投手の両先発完投試合のみである。

最後に、選手同士が最近仲良くなっていると感じる光景を目にする。打者がヒットで一塁に行くと、一塁手と挨拶、会話を交わすケースが多々見受けられる。ルールブックには「ユニフォーム着用者の禁止事項として、監督、コーチ、またはプレイヤーが試合前、試合中に問わず……相手チームのプレーヤーと親睦的態度をとること」と記されている。

以上、四つのことを思うにつけ、オールドファンはずいぶん野球の風景が変わったなとつくづく感じる。それぞれそれなりの理由があるが、昔の野性的な野球が失われていくようで寂しい。