野球選手の契約金の所得税負担を軽くするには

所得税は超過累進税率となっている。だから特定の年だけ多額の所得があると、その年の税負担が大きくなる。

そこで、原則通りの税額の計算ではなく、平均課税を採用すると有利な節税ができる。

この平均課税を適用できる所得には職業野球選手の臨時所得がある。

臨時所得:職業野球選手と3年以上の期間の専属契約を結ぶ際の契約金のこと。契約金額がその契約による報酬年額の2倍以上であること。

 

●山下輝投手の契約に平均課税を適用できるか検証してみよう。

山下輝投手の契約内容:契約金9,000万円/年俸1,400万円。

 

①山下輝投手はヤクルト球団と3年以上の期間の専属契約を結んでいるか?  

現在、選手が自由に他の球団に移動できるにはFA資格を収得するほかない。FA資格は累計7年必要だから3年以上の期間の専属契約を結んでいるといえる。

 

②山下投手の契約金額9,000万円。年俸1,400万円

契約金額9,000万円は年俸1,400万円の2倍以上ある。

というわけで山下投手の所得は平均課税を採用できる。そこで、どれだけ節税できるか計算してみよう。

●平均課税を採用すると約960万円節税できる。

これだけ税制上得するのだから3年間は専属契約を結ばざるを得ない。ということは「ヤクルト球団に3年間拘束されても仕方がない」ということだ。

野球選手は税制度、FA資格と不自由な個人事業主だ。