開幕戦にサヨナラ満塁本塁打を放った唯一人の選手は?(セリーグ編)
1958年(昭和33年)から2015年(平成27年)までの日本野球機構の公式スコアシートを野球殿堂博物館で閲覧できるようになった。
そこで、プロ野球史上たったひとりの「Only One」選手と初記録の「First Play」選手を見つけ、そのプレイの内容をスコアシートで読み解いた報告をする。
開幕戦にサヨナラ満塁本塁打を初めて、唯一放ったパリーグの選手は西武伊東勤だった。
セリーグでは2004年まで開幕、サヨナラ満塁本塁打記録はなかった。伊東勤の記録はパリーグだけでなくプロ野球記録でもあった。その記録を破ったのが中日アレックスで、2005年4月1日中日対横浜戦(ナゴヤドーム)で開幕、サヨナラ満塁本塁打を放った。その軌跡を追ってみよう。
横浜三浦大輔投手、中日川上憲伸投手の好投で8回まで両チームとも無得点を続けた。
横浜は9回表も無得点で、中日は無死から3番立浪和義が右中間を破る三塁打を放った。サヨナラ場面になったから当然前進守備になるが、横浜は4番ウッズ、5番福留孝介を敬遠して満塁策をとる。
打席には6番アレックスが立った。
三浦大輔投手に対しファールを9球して3ボール2ストライクの13球目を左中間にサヨナラ満塁本塁打を放って試合を決めた。
これでセ・パリーグで開幕、サヨナラ満塁本塁打記録が刻まれたわけだが、伊東勤の記録は開幕、得点4-3だから、おつりないサヨナラ満塁本塁打。
一方、アレックスは4-0の開幕、サヨナラ満塁本塁打となった。
因みにこの記録を確認した審判員は球審佐々木昌信、一塁塁審杉永政信、二塁塁審上本孝一、三塁塁審渡真利克則である。