開幕、初回、代打で満塁本塁打した打者は?
1958年(昭和33年)から2015年(平成27年)までの日本野球機構の公式スコアシートを野球殿堂博物館で閲覧できるようになった。
そこで、プロ野球史上たったひとりの「Only Play」選手、初めての「First Play」を見つけて、そのプレイの内容をスコアシートで読み解いた報告をする。
開幕戦で代打本塁打を放った選手は2リーグ制の1950年以後2017年までにセ・パリーグで19人いる。
そのうち開幕戦に代打で満塁本塁打を放った選手は一人しかいない。今回はその選手の開幕、代打、満塁本塁打のプレイ軌跡を報告する。
1973年4月14日阪急対近鉄戦(西宮球場)で初回、先頭打者の近鉄小川享がこの時点で4人目の初回先頭打者本塁打を5球目に阪急足立光宏投手から放った。
試合は5回まで進み、阪急がスコア1-3とリードされている状況で阪急正垣泰祐が代打満塁本塁打を放って逆転する。
そのプレイ内容は1番福本豊が一塁邪飛、2番住友平も左翼邪飛であっという間に2アウトとなる。このまま3アウトチェンジかと思えたが3番高井保弘が中堅前直飛安打、4番長池徳士、5番森本潔が連続四球で二死満塁になった。
6番大熊忠義に正垣泰祐が代打で打席に立つ。
ボールカウント1-1ストライクからの3球目を左中間に満塁本塁打を放って逆転した。
四球が続くと投手はどうしてもストライクを取りにいってします。そこでコースが甘くなって打たれる。一流投手でもその傾向はあるようで打たれて投手は近鉄鈴木啓示。
因みに、開幕、代打、満塁本塁打を確認した球審は久保山和夫審判員であった。