満塁本塁打でプロ最終打席を終えた選手は誰だ?

1958年(昭和33年)から2015年(平成27年)までの日本野球機構の公式スコアシートを野球殿堂博物館で閲覧できるようになった。

そこで、プロ野球史上たったひとりの「Only Play」選手、初めての「First Play」を見つけて、そのプレイの内容をスコアシートで読み解いた報告をする。

 

今回はプロ最終打席を満塁本塁打で終えたたった一人の選手を取り上げる。

1991年10月10日大洋対阪神26回戦ダブルヘッダー第2戦(横浜球場)で大洋田代富雄が3回裏に満塁本塁打を放った。

この打席を終えてから途中交代したので最終打席になった。

この年に田代富雄は12試合しか出場していない。14打席12打数1安打4打点1得点2四球が記録だからこの満塁本塁打がこの年のたった1本の安打だ。

では満塁本塁打までの過程を辿ってみよう。

3回裏二死走者なしから1番レイノルズが三塁内野安打で出塁、2番高橋雅裕のボールカウント1-1からの3球目にレイノルズは盗塁する。阪神の山田勝彦捕手は二塁に悪送球しレイノルズは三塁まで進塁する。

高橋雅裕は四球を選び二死走者一・三塁で3番高木豊も四球を選んで二死走者満塁に4番田代富雄が打席に立つ。

阪神葛西稔投手の2連続四球後の初球をセオリー通りに田代富雄はバット一閃すると打球は左中間観客席に着弾する満塁本塁打となった。

田代富雄はこの満塁本塁打を最終打席にしたいと願ったのだろうベンチに戻り途中交代し引退試合を飾った。

因みにこの満塁本塁打の生還を確認した球審は平光清、笠原昌春が二塁塁審で一軍初出場しこの満塁本塁打目撃している。