野球選手の参加報酬は303日俸。他のスポーツ参加は許されない
今夜は“野球協約についての”「だからどうなの話し」。
統一契約書は実におもしろい。今回は、選手の参加報酬と他のスポーツをすることについてをご紹介する。
野球選手の労働期間はいつからいつまでか? これは第3条の参加報酬に書かれている。
『第3条(参加報酬) 球団は選手にたいし、選手の2月1日から11月30日までの稼動にたいする参加報酬として金………円(消費税及び地方消費税………円を含む)を次の方法で支払う。』。
選手は参加報酬の受取り方を2月~11月の10等分と2月~翌年の1月の12等分のどちらかを選択できる。
選手の参加報酬の契約期間は2月~11月で12月と1月は除かれている。1年は365日なので、12月と1月の合計日数は62日。365日から62日を引くと303日が選手の稼動期間(労働期間)になる。選手の参加報酬を正確に言うと年俸ではなく303日俸なのである。
昔、相撲は本場所10日間で年2場所だったので『一年を20日で暮らすよい男』ともてはやされた。野球選手をこの例で言えば『一年を303日で暮らすよい男』となる。
選手は球団に拘束される以外の月(12月と1月)は自由だ。それならその期間に体が鈍らないように他のスポーツをしたらどうだろうか?
ところが統一契約書はそのことを禁止している。
『第20条(他種のスポーツ) 選手は相撲、柔道、拳闘、レスリングその他のプロフェッショナル・スポーツと稼動について契約しないことを承諾し、また、球団が同意しない限り、蹴球、籠球、ホッケー、軟式野球その他のスポーツのいかなる試合にも出場しないことを承諾する』。
メシャー・リーガーがシーズン・オフに籠球(バスケット・ボール)に出場したとか、南米のウインター・リーグで休むことなく一年間野球漬けになっていると話を聞く。それに対し、日本の球団は他のスポーツへの出場を許さず選手を縛りたいようだ。
例えば、畠山選手と雄平選手はあの体つきだからレスリングをする。山田選手と上田選手は足が速いから陸上競技をする。宮出コーチは背が高いからバスケット・ボールで活躍するなどしたら、野球ファンも選手の別な能力を見られるので一年中楽しめるのではないか。
ケガの心配はあるが、スポーツ選手はオフにマシーンやランニングをするよりも真剣勝負のスポーツで体を動かす方が良いのではと思うのだが………。
というわけで、今夜もだからどうなの話し。