老齢厚生年金の受給額は変わらず、健康保険料が減って一石二鳥の報酬限度額は?

今夜は“審判員と社会保険料についての”「だからどうなの話し」その2。

巷間きくところによると審判員に退職金はなし。審判員の老後生活を支えるのは老齢厚生年金がメインになる。

厚生年金保険料と健康保険料(以下社会保険料という)は4、5、6月の報酬の平均額(標準報酬月額という)で決める。その標準報酬月額をベースにその年の9月から1年間の社会保険料が決定する。

この3カ月(4、5、6月)の報酬のいかんで社会保険料は大きく違ってくるのだ。

例えば、4、5、6月に集中的に残業代が多いサラリーマンの社会保険料は多くなる。

 

標準報酬月額を決める報酬には基本報酬以外に残業手当、交通費、出張費、家族手当、住宅手当なども含まれる。

審判員の場合だと標準報酬月額を決める報酬は、「基本報酬」+「出場手当」+「遠征交通費」+「宿泊手当」になるだろう。


4月から開幕するプロ野球の場合は4、5、6月の標準報酬月額は増え、社会保険料は増える。

それで4、5、6月の報酬を統一契約書で3ヵ月ずらせば社会保険料は今より減る。

結果、毎月の手取報酬が現在より増える。これが2014年12月15日のHPの内容だった。


ここで問題がひとつある。標準報酬月額が減ると老後の生活費のメインになる老齢厚生年金の受給額が減るのではないかということだ。

ところが厚生年金の標準報酬月額は62万円(厚生年金保険料は54,169円)が上限になっている。

例えば、報酬が88万円になっても老齢厚生年金の受給額を算出する標準報酬月額62万円なのだ。

つまり標準報酬月額が62万円を超えても老齢厚生年金の受給額は増えないのだ。


ところが健康保険料は標準報酬月額62万円だと36,239円。標準報酬月額88万円だと51,436円。その差は毎月15,197円。年額だと約18万円手取り報酬に差がでる。


以上のことから審判員の場合に「基本報酬」+「出場手当」+「遠征交通費」+「宿泊手当」のうち「出場手当」を3ヵ月先送りする。

そうすれば、標準報酬月額62万円超ならば老齢厚生年金の受給額は変わらず、健康保険料は減って一石二鳥になる。

というわけで、今夜もだからどうなの話し。