忍者は20万円の罰金を払って釈放されたのだ

今夜は“忍者の罰金についての”「だからどうなの話し」。

忍者がゲームを中断させると威力業務妨害になるのだ。忍者を告発するのは誰なのだ?

1990年5月12日、広島対読売7回戦(広島球場)の6回表に忍者があらわれた。忍者はバックネットに登った。

「巨人ハ永遠ニ不ケツデス」「天誅!悪ハ必ズホロビル」と垂れ幕を垂らした。グランドに銀紙で作った手裏剣を投げた。試合は9分間にわたり中断した。

この一連の行為がこのゲームの主催者である広島カープの業務を妨害したことになった。

そうかな? 

この試合の審判員は球審谷博、一塁塁審井野修、二塁塁審久保友之、三塁塁審平光清。

「公認野球規則9.01 審判員の資格と権限 審判員は……試合を主宰するとともに、試合中、競技場における規律と秩序を維持する責にも任ずる」。

ゲーム中の責任者は審判員なのだ。業務を妨害されたのは審判員なのだ。だから忍者を告発するのは審判員なのではと思うのだが……。

まあ、どうでもいいことか。

忍者がこのようなことをやった動機は「読売巨人軍の江川投手の空白の一日問題や桑田投手の登板日漏洩疑惑などが子供の教育のために良くない」ということだった。

実は忍者は少年野球のコーチをするなど地域社会に貢献するまじめな方だった。

やった行為は人に危害を加えたわけでもない。それで広島簡易裁判所は20万円の罰金命令を出した。

この5月12日の騒動は一面の記事。その後、この忍者はどうなったのか記事を追いかけた。

それから約5ヵ月後の1990年9月4日に広島簡易裁判所の罰金命令は片隅の記事。

というわけで、今夜もだからどうなの話し。