懐かしいな、無くなってしまった野球場 その2

今夜は“映画に出てくる野球場ついての”「だからどうなの話し」。

また、また暇なので小津安二郎の映画のこと。

小津安二郎の映画には本編のストーリーに関係なく野球のシーンがある。

昨日は『秋刀魚の味』を見た。中村伸郎が笠智衆の会社を訪問するシーン。中村伸郎は「これから大洋対阪神」を見に行くという。

場面は変わって川崎球場の照明塔。これは現場の映像。

その後に大洋の桑田選手が背番号8を背に打席に入るシーン。ここでは飲み屋のテレビ中継のシーンになる。阪神の投手はバッキー。

懐かしい球場、懐かしい選手。

先ほどの中村伸郎と笠智衆が飲み屋の奥座敷で飲んでいる。結局、野球場に行かなかった。

テレビから「ワッー」という観客の音声が聞こえる。

中村伸郎が「ホームランを打ったかな」とつぶやく。

まあ、小津安二郎は噂によると国鉄スワローズファンだったとか(確かではない)。野球シーンを映画にたびたび使う。でも、全体のストーリーと関係ない。

話し変わる。黒澤明の『野良犬』で後楽園球場が出てくる。これは三船敏郎の刑事がスリに掏られた拳銃の犯人を満員の観客席から探す。試合進行中の大観衆の歓声と何としても犯人を探さなければならない刑事。そのシーンが交互に写されて緊迫したシーンだった。

監督によって野球場の使い方も違うものだ。野球が大好きだとストーリーと関係なく写すのでは……。

そんなことを思いながら『秋刀魚の味』を見ていた。今日も老人の繰り言。

というわけで、今夜もだからどうなの話し。