野球選手は日本国民の模範にならねばならぬとは……。

今夜は野球コラムのだからどうなの話し。

2011年版の球団と選手が結ぶ統一契約書は実にとんでもないことが書かれている。

『第17条(模範行為)選手は野球選手として勤勉誠実に稼動し、最善の健康を保持し、……………かつ、個人行動とフェアプレイとスポーツマンシップとにおいて日本国民の模範たるべく努力することを誓約する』。と。

こんな条文はいつから載っていたのか過去の球団と選手の契約書を調べた。私の手元に1955年の某球団と選手の契約書がある。

1950年からセ・パの2リーグ制になった。その5年後の契約書の第10条(模範行為)にも同じ条文が書かれている。どうやら球団は昔から野球選手に日本国民の模範になるよう誓約させているのだ。

私は野球選手が酒に溺れ、女性と遊び、ギャンブルに現を抜かそうがグランドで素晴らしいプレーを見せてくれるなら入場料を払ったことに文句を言うつもりもない(ただし暴力団関係との金銭関係あるなどは日本国民以前に法律違反とモラルの問題であるから人間として失格である)。況や日本国民の模範になってもらいたいなんてちっとも思っていない。

プロ野球選手になれるのは選ばれた天才である。超一流選手になれば何十億の年俸を稼ぐ。恐らく、このクラスの選手になれば、勤勉誠実に稼動し、最善の健康を保持して野球に取り組んでいるだろう。

でも、彼らが日本国民の模範たるべき努力をしているとは思えない。

野球が大好きで、他人より才能があり、子供の頃からドップリと野球漬けの生活をしてきたから野球で超一流選手になれたので、誰も個人行動において日本国民として模範たるべく努力するつもりなど少しもないと思う。

野球ファンそんなことを期待しているだろうか。この条文はいらないのではないかと思うのだが、いかがだろうか。

というわけで、今夜もだからどうなの話し。