審判員とは想定力がある知的エリートになることなのだ

プロ野球が始まって80年。

2003年終了時点で公式戦に出場したプロ野球選手は5,174人(NPBデータ)。それから10年ドラフトで加入した選手は概略700人程度。とすると現在は6,000人前後だろう。

プロ野球審判員『ブルーブック』によると225名だ。なんと野球選手より少ないのだ。それは厳選された者しか審判員になれないという証左なのだ。

なぜ審判員は厳選された者しかなれないのか? それは審判員に想定力、想像力が必要だからなのだ。頭が良くなければできないのだ。

9回裏一死走者一塁、1点差で負けている。こんなときに出るサインはほとんどバンドだ。選手はコーチのサインに従うだけだ。考えることはない。

ところが審判員はどうだろうか? 1塁に走者がいたら、いろんな状況を想定しなければならない。「投手がボークする。牽制球が観客席に入る。捕手と交錯して守備妨害or走塁妨害がある」。審判員はこれ以外にもいろいろな状況を想定しなければならない。

選手の想定は単純だ。最終的には、打てるか、抑えられるかの二者択一だから。

それに対し審判員は複雑な状況想定を考える能力が必要だ。選手より頭が優秀でなければできない。それが審判員なのだ。

だから225名の審判員はエリートなのだ。

出会いは不思議だ。23日、第2回アンパイア・スクールでの参加者I君と会った。彼は私のHPの読者で、16日のHP「アンパイア・スクールに行ってきます」を読んでいた。それで「もしかしたら会えるかも……」と期待していたそうだ。それが遭遇した。不思議だ。

今日はその彼に伝えたいことをこのHPに書いた。結論、アンパイアは想定力。それと判定にあたって一瞬に判断できる能力、知力、体力がある者しかなれない仕事なのだ。

これからもがんばってもらいたい。I君へ。