
審判員に打球が当たり2000本安打達成は
感動的な瞬間か?
野球場でこんなシーンを見てみたい。2000本安打達成だ。
2012年5月8日、ヤクルト対広島戦の2回裏、ヤクルト宮本慎也選手は中前安打を放ち2000本安打を達成した。球場にいた私は、とても嬉しかった。
だが、打たれた広島の福井投手が、宮本選手を祝うセレモニーが行われている間、一人マウンドで立ち尽くしている姿を見て、本人はどんな気持ちなのかと思うと可哀想になった。
あと1本で2000本安打達成がこんな場面だと打者と審判員はどんな気持ちなのか?
一死走者一・二塁、打者は中堅に抜けそうな痛烈なゴロを打った。ところが、二塁塁審は打球を避けきれず、足に当ててしまった。直ちに審判はボールデッドを宣告した。
公認野球規則、ボールデッドの5.06(c)(6)「内野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者または審判員に触れた場合、あるいは内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールが、審判員に触れた場合――打者が走者となったために、塁を明け渡す義務が生じた各走者は進む」。従って、一死走者満塁となる。
では、この打球の記録はどうなるのだろうか?
公認野球規則の安打記録9.05(a)(5)「野手に触れていないフェアボールが、走者、審判員の身体または着衣に触れた場合」。安打が記録される。2000本安打達成だ。
こんな形で2000本安打達成したら打者、投手、審判員はどういう気持ちなのだろうか? 記念のセレモニーは行われるのだろうか?
私はこんなシーンを球場で見られたらとても面白いのではないかと想像している。出来るなら我が庭の神宮球場で見てみたいものだ。