プレイ以外の球場での楽しみ ブルペン
神宮球場に野球を見に行く楽しみはあたりまえだが、選手のプレイを見ることだ。わたしはそれ以外の楽しみもある。
ブルペンに注目しよう。
このブルペンマウンドに何回に立つかでその投手の信頼度、仕事の役割を知ることができる。例えば、勝っている試合で8回に投げるセットアッパーは1回~5回まで姿を現わさないし、ブルペンに立つことはない。
ヤクルト清水投手、中日浅尾投手は5回まではトレーナーに体の手入れをしてもらっている。それから6回からブルペンに現れてきて、体操、投球練習をし始める。7回に本格的に肩づくりをして8回にブルペンからマンウドに向かう。以上がセットアッパーのルーチンワークだ。
このようにルーチンワーク許されるのは首脳陣が8回は任せたという信頼度の証である。
先発投手が初回~3回までに4点、5点取られて立ち直れそうもない時に、ブルパンに目をやると、まだ3回なのに2020年は今野投手、2021年は大下投手が急いで投球練習を始めている。
これらの投手は何とか先発が降板した後の続く1回~3回を0点で抑えて味方の攻撃につなげるのが仕事だ。もし、その間に味方が2点~3点取れば勝ち目が出てくるかもしれない。だからこれら投手は回跨ぎするから登板数より投球回が多くなる。
2020年の今野投手は登板数20に対し登板回数25.1回。2021年の大下投手は登板数30に対し登板回数38.2回。今野投手の2020年の防御率は2.84。大下投手の2021年の防御率は前年まで5点台だったのに3.72と改善した。つまり2投手は回跨ぎを何とか抑えることができたのだ。
このように回跨ぎで抑え負けそうな試合を何とか踏ん張ることで首脳陣の信頼を得られる。
2021年今野投手は登板数64に対し登板回数62。つまり負け試合にリリーフで登板したり、回跨ぎ登板をしなくなったのだ。その証拠に2021年の今野投手は7回に登板するから先発が1回~2回に大量点を取られてもブルペンに立つことはなくなった。
毎年、毎年、ブルペンに目をやっていると投手の浮き沈みを見られる。プレイ以外の球場での楽しみの一つにブルペンがあるのだ。
さて、来季、大下投手はいつブルペンに立つ投手になるかな?! 来季の楽しみだ。