プロ野球史上意図的に中堅ゴロ併殺を狙った選手は?

外野手の故意落球ルール5.09a(12)の「0アウトまたは1アウトで、走者一塁、一・二塁、一・三塁または一・二・三塁のとき、内野手がフェアの飛球またはライナーを故意に落とした場合、ボールデッドとなって、走者の進塁は認められない。」を意識的に実行して外野ゴロ併殺を狙ったプレイをした選手がいる。

阪急の福本中堅手である。

1976年4月17日、日本ハム対阪急4回戦(後楽園球場)8回裏、日本ハムは2番内田選手が右中間に二塁打を放つ。3番ウィリアムスは右安打で無死一・二塁とチャンスを作る。

4番小田選手は右中間を破る二塁打で内田、ウィリアムス選手が生還する。5番DH永渕選手は三塁邪飛で一死走者二塁となり6番千藤選手は四球を選び一死走者一・二塁となる。

ここで7番加藤選手は中堅に飛球を打つ。福本中堅手は一旦グラブで触れて落とし、坂本茂二塁塁審は落球と判定する。明らかに名手福本中堅手が故意落球したのだ。すぐに二塁に送球した。

阪急マルカーノ二塁手は二塁ベースに戻っていた二塁走者小田選手にタッチする前に二塁ベースを踏んだから千藤一塁走者は封殺されたが小田選手は生きてしまった。

阪急はマルカーノ二塁手が二塁走者小田選手にタッグしてから二塁ベース触れたと抗議したが坂本茂二塁塁審は認めなかった。この間約17分間の中断があった。

福本中堅手の意図的な故意落球による中堅ゴロ併殺狙いはただの一塁走者封殺の中堅ゴロになってしまったのだった。