初打席が代打本塁打、引退試合の最終打席も代打本塁打記録
1958年(昭和33年)から2015年(平成27年)までの日本野球機構の公式スコアシートを野球殿堂博物館で閲覧できるようになった。
そこで、プロ野球史上たったひとりの「Only Play」選手、初めての「First Play」を見つけて、そのプレイの内容をスコアシートで読み解いた報告をする。
今回はプロ初打席で代打本塁打を放ち、引退試合でも代打の最終打席で涙を流しながら本塁打を放ったたった一人の選手を取り上げる。
1997年7月20日ヤクルト対読売17回戦(神宮球場)でヤクルト2-7得点でリードされた9回裏二死走者なしに宮本慎也が左翼線に二塁打を放つ。
ここで今回の記録打者小野公誠が代打で初打席に立った。ボールカウント1-1ストライク後に読売三澤興一投手が投じた3球目を左中間に115mの本塁打を放ち4-7に迫った。
ここで読売は木田優夫投手に交代した。次打者真中満は二遊間を抜く中前ゴロ安打とチャンスを広げたが辻恭彦が右飛で試合終了した。
10年後2008年10月12日ヤクルト対横浜24回戦(神宮球場)は小野公誠の引退試合となった。
8回裏3-3同得点で5番飯原誉士、6番代打真中満が連続三振で最終打席に小野公誠が打席に立った。
ボールカウント0-1ストライク後に横浜牛田成樹投手の2球目を左翼観客席に本塁打してヤクルトが4-3とリードし、9回表林昌勇投手が大洋の攻撃を三者凡退に抑えて試合終了した。
初打席の代打本塁打は追撃弾、最終打席は決勝弾となった。小野公誠は代打初打席、代打最終打席で本塁打を記録した唯一人に選手となった。
因みに初打席と最終打席の代打本塁打を確認した球審は井上忠行と木内九二生審判員である