高倉健の最高傑作はこれでしょ。『昭和残侠伝 死んで貰います』
今夜は審判員の話でなく“高倉健についての”「だからどうなの話し」。
高倉健が亡くなった。我が青春時代のヒーローだった。ちょっと落ち込んでいた。それでHPを少し休んでいた。
高倉健は“長ドス”が似合った。
高倉健が演じる『昭和残侠伝』の主人公花田秀次郎の殺陣は“長ドス”を野球のバットを振るようにメッタ切りした。
殺陣の舞い、リズムなどなかった。まさしく不器用な殺陣で、敵役と絡む芝居など無視していた。
一方“ドス”が似合った池部良。
『昭和残侠伝』の主人公花田秀次郎に対し風間重吉を寡黙に、敵役、助太刀役を演じた。
風間重吉の殺陣は敵役と刃を合わせるリズムがあった。敵役と絡んだ芝居をした。
昭和45年。私は22歳。『昭和残侠伝 死んで貰います』はこの年に上映。
花田秀次郎と風間重吉の二人の息がピッタリ合った殴りこみだった。両人のセリフは忘れられない。
風間重吉(池部良)が殴りこみに向かう。花田秀次郎(高倉健)が助太刀で声をかける
花田秀次郎「重さん このケリは俺につけさせておくんなさい。堅気のお前さんにいかせるわけにはいかない」
ヤクザから足を洗い、堅気になるために15年間世話をしてくれた花田秀次郎の父親の恩義に応える風間重吉
「秀次郎さん あれから十五年。みておくなさい。ご恩返しの花道なんですよ」
ここで風間重吉は“ドス”の封印を親指でピシッと切る。
風間重吉「ご一緒ねがいます」
と両人は肩を並べ殴りこみに歩いて行く。44年経った今でもこのときの二人のセリフと後姿は忘れられない。
私にとって高倉健の最高傑作は『昭和残侠伝 死んで貰います』。
最後に一言。テレビの追悼番組はなんで『昭和残侠伝 死んで貰います』を取り上げないのかな。
ヤクザ映画であろうが、傑作は傑作なのだが。
というわけで、今夜もだからどうなの話し。